2010年5月10日月曜日

D&D ナガオカケンメイ×水野学トークショー

NIPPON VISION 3 が開催されているD&D東京店内が会場。
ゲストに水野学さんを迎えて、テーマは「観光とデザイン」。

会場は満席になって立見がでるほどの人気。それほど利便性がよくないD&D東京に足を運ぶ人がこれほどいるところをみると、二人の人気っぷりが伺えるなあ。

水野さんの今までの仕事をさらっと復習しつつ、本題に入っていった。
もともと旅好きな水野さんの仕事には、旅先で得た経験、気づきが入っているようだ。

まず、「広告する」ということにはあまり重要さを感じていないようだ。最近では広告よりも「広報」が大切と感じているらしい。広告費を削られている今、自社の長所を伸ばすほうに予算を当てて、ニュースとしてメディアに取り上げてもらう。この考え方はこれからさらに一般的になっていくはず。
水野さんの言葉で言えば「広告は商品が良ければ、いらない!」ということだ。

広告では、どれだけお金をかけられるかという競争になったりもする。が、広報となるとお金をかけたから良い広報になるかといえば、そうもいかないんじゃないかと思う。
水野さんも言っていたが、「お金でモノの価値を計らない」ことが必要になるはず。
どんな会社や地方の観光地も、独自の長所、価値を持っているはず。その価値を見抜いて伸ばすことが、良い広報につながり、集客に結びついていくのではないかな。そのものが持っている「らしさ」を研ぎ澄ますこと。そのときには古い文脈にとらわれて考えなくて良い、とのこと。これまでの固まった枠の中で考えないで、新しい文脈で考えることで視野が一気に広がる。
水野さんの話を聞いていてそんなことを思っていた。

こうしてビジョンができあがった後に、当然ビジョンを実現させなければ意味はない。それには人の力が必要。例えば、カメラマンや建築家。水野さんのやり方は、「信用していない人とは仕事をしない。やるならその部分は任せてしまう。」というもの。ディレクションはやるが、その方向から外れないかぎりは任せるという。アートディレクターなり、クリエイティブディレクターという立ち位置だ。それは水野さんの会社論にも通じていて、「社長がクリエイティブディレクターとして機能している会社はうまくいく」とも言っていた。Appleが良い例だ。
ビジョン実現にはコミュニケーションも大切だ。そのコツとしては「飲みにいくこと」という。腹を割って話すということかな。

水野さんは、志が低い人とはあまり仕事をしたくないともいっていたな。話をしていれば、その人が考えていることはなんとなく分かってくるという。見抜けるかどうかって大きいな、ギャラにかかわらず良い仕事ができるかどうかに関わってくるから。

デザインは根本的にはすべて同じだと考えているようだった。それには納得。会社も、観光も、街も、国も。
ブランディングという感覚が一番しっくりきそうだ。
うまくまわるように仕組みを考えるという認識に立てるから、水野さんはジャンルにこだわることなく、いろんな分野で活躍できるのだなと思う。

質疑応答もしっかりと時間をとっていて、興味深く聞くことが出来た。いろいろ考えることもできたし、行ったかいあった。
それにしても、水野さんはこういう場に慣れている感じで、話がおもしろい。サービス精神あるなあ。

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